『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』DVD発売前夜祭その1 『アメトーク』エヴァンゲリオントーク

「前夜祭」と題したところで、もう24日から早売りが始まっているのだけれど、25日の発売日に合わせていくつか書いてみたい。「日本で123,456番目のエヴァヲタ」*1を常々自称している身としても、このタイミングでなにも書かないわけにはいかないだろうという思いもある。まずはこのタイミングに合わせたのであろう、テレビ朝日『アメトーク』のエヴァンゲリオン特集回から。

芸人がアニメを語るということについては、既に各所でいろいろと語られているが、ここではそのこと自体については述べない。ただ、『ガンダム』に比べれば『エヴァ』はまだ知名度のわりにテレビ的に手垢がついていないぶん、地上波の番組で扱うには適した素材だなというのが見終わっての第一印象である。つまり、ファン内では一般的に知られているレベルのことを力を入れてしゃべったとしてもそれほど空回り感がなくて芸人にとっては扱いやすく、かつ視聴者にとってもネタとして消化できる範囲内にある。その点に関しては今のところ実にバランスの取れた位置にあって、キャストとスタッフの力量次第ではあるけれど、自分が思っている以上に地上波向きであるのかと思った。

出演者たちが本当はどこまで興味があるかはともかくとして、ネタとしての咀嚼の度合は十分に及第点だったろうし、それぞれが破綻無く自らの役割をこなしたと思う。ただ、加藤夏希はこのメンツの中に入ると弱いのは仕方なくて、彼女はどちらかといえば「林原党」だから、ピンでならともかくグループでエヴァを語る場では存在価値がない。可能であれば栗山千明を呼んで、芸人の中で一人だけの「ガチ芸」をさせられれば番組としてはより成功だったかもしれない。

今回一番賞賛したいのは、構成作家をはじめとするスタッフ。番組内で取り上げた映像の選択は実に見事で、「見せてもよい場面」と「視聴者が後に自分で見るべき場面」の選択、前者において「最も見せるべきシーン」の選択がそれぞれ完璧で、それらの場面を調理する芸人の選択にも間違いがなかった。加えて、「設定通り」のカチューシャ型のインターフェイスヘッドセットを用意した辺りの配慮もファンとして嬉しい。地上波番組におけるプロフェッショナルの仕事として手放しで賞賛していいだろう。

*1:日本の人口の上位0.1%程度には入っている自信がある。そんなもの(内容ではなく)比率として胸張れるかという点はおく。